清水義範、西原理恵子著『独断流「読書」必勝法』を読んでいます。
今、清水義範、西原理恵子著『独断流「読書」必勝法』を読んでいます。そこに、次のような文がありました。
小説『坊っちゃん』の中に、松山という地名は一度も出てこないのである。「四国辺のある中学校」へ行くことになった、と書いてあるだけなのだ。(略)それどころか、その街には汽車でちょっと行ったところに温泉があって、これだけはいいものだ、と書いてあって、誰が読んでも道後温泉のことだな、と思うわけだがそこのことをわざわざ「住田という所」と、名を変えて書いているのだ。(略)ではなぜ、松山の人は、ここが『坊っちゃん』の来た街ですよと断定できるのか。それはもちろん、漱石こと夏目金之助が、かつて松山で中学校の教師をしていたからである。
私が『坊っちゃん』を読んだのは中1の頃だったでしょうか。当時は固有名詞としての松山も道後温泉も知らなかったので小説に書かれたまま読んでいたような気がしますが、そういえばいつの間にか『坊っちゃん』と「松山」と結びつけるようになっていました。しばし反省。
上の文を読んでふと思ったことがありましたので、話は変わりますがちょっと書いてみたいと思います。
私は、つんく作詞作曲でソニンが歌う「国領」という歌がとても好きなのですが、「国領」というのはタイトルだけで歌には具体的な駅名は出てきません。歌の冒頭部分を引用してみます。
ふらり電車乗ったわ
ふたつくらい乗り継いで
初めて降りた駅の喫茶店
東京と言うけれど
30分も電車乗れば
懐かしい感じの風景ね
台所に立って
あなたの大好きな料理
私がはじめて覚えた料理
たったそれだけだよ
今の私はそれが全て
東京に来てからの全て
この歌の歌詞は、「カレーライス」だけではなく、「肉じゃが」でも「スパゲッティ」でも、実体験に合わせて自由に思い起こせるようになっているのでしょう。
ソニンの『華』は2003年のアルバムとありますから、発売からすでに15年が経つのですね。アルバム『華』と、シングル「合コン後のファミレスにて」は、当時、何度も聞いていました。
とりあえず、今からソニンのCDを探して、聞き直そうと思います。
映画『バルタザールどこへ行く』
先月、テレビで放映した映画『バルタザールどこへ行く』を今日ようやく見ました。良い映画だとは思うのですが、見ていてつらいものがありました。
映画を見始めたときは、村上春樹編『恋しくて』に収録された短編 「愛し合う二人に代わって」のように、女性の側に波乱がありながらも幼馴染の男性が一途に片思いをし続けるちょい甘なラブストーリーかな、と思ったのですが、とんでもなかったです。
『処女の泉』を見たときもつらいとは思いましたが、『バルタザールどこへ行く』は人間ドラマのつらさプラス動物ものとしてのつらさがありました。
動物ものといえば、うちには映画『グーグーだって猫である』のDVDがあるのですが、冒頭のある場面を乗り越えることが私にはできません。何度トライしても、その場面または直前で見るのをやめてしまいます。ですから、いまだに映画の中のグーグーと出会うことができないでいます。
話を戻します。見た直後は嫌だと思った映画も数ヶ月後に気になり出して、その後、あのとき見ておいてよかった、と思うことがときどきあります。『バルタザールどこへ行く』も、私にとってそのような1本になるのでしょうか。
NHKのBSシネマのHPで『バルタザールどこへ行く』の解説を見ると、この映画は「至高の映像美で描いた傑作」のようです。
巨匠R・ブレッソンが、人間の本能と罪悪を至高の映像美で描いた傑作。映画初出演となったA・ヴィアゼムスキーの無垢(むく)なあどけなさも魅力。
AmazonでDVDの内容紹介でも「至高の寓話」という表現を使っています。
少女とロバの苛烈な運命。 ロベール・ブレッソンがドストエフスキーの小説『白痴』に想を得て描く、至高の寓話。主演に映画初出演となるアンヌ・ヴィアゼムスキーを起用。
フラットな気持ちに戻れたとき、この映画をもう一度見てみたいと思います。ちなみに、主演のアンヌ・ヴィアゼムスキーは去年(2017年)10月5日にパリで亡くなったとのことです。
【寄稿】「追悼 アンヌ・ヴィアゼムスキー」四方田犬彦 | web ふらんす
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テレサ・テン
今、テレビでテレサ・テンの特集番組を見ています。3時間くらいあるみたいです。
テレサ・テンが亡くなったとき、私は日本にいなかったこともあり、亡くなったことをずっと知りませんでした。後に『ラヴソング』という映画を見たときに、その映画の中でテレサ・テンが亡くなったことを初めて知ったくらいです。
香港映画『ラヴソング』は何年か後にDVDを買って、ラストシーンを何度も見ました。
『ラヴソング』からの影響があるかないかは分かりませんが、映画『電車男』のラストシーンも同様に大好きです。
テレビではテレサ・テンが歌う「甜蜜蜜」が流れています。ちょっとうれしくなりました。「甜蜜蜜」は映画『ラヴソング』の主題歌であり、映画の原題でもあります。
韓国ドラマ『ソロモンの偽証』
韓国ドラマ『ソロモンの偽証』を第2話まで見ました。第1話は、登場人物の詳しい描写がないまま例の事件が起こったので、ストーリーを知っていながら感情移入がほとんどできませんでした。第2話になってようやく見る感覚がつかめてきたような気がします。
ただ、男子生徒に関しては誰が誰だか、いまだによく分かりません。主役も脇役もほぼ同じ身長で、髪型もほぼ同じに見えるからです。
男子の「坊ちゃん刈り」は韓国の高校生の流行なのでしょうか。それとも校則で決められたものなのでしょうか。
韓国版と比較すると日本版の登場人物は男子も女子も個性が光っている気がします。
サーチエンジンのサジェスト機能
韓国の中央日報(日本語版)に次のような記事がありました。
「<平昌五輪>外国人ボランティアメンバーの英文資料にミス…『平昌』が『平壌』に」(2018年02月02日)
平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック組織委員会が外国人ボランティアメンバーの運転教育用に準備した英文資料で、「平昌」が「平壌(ピョンヤン)」と誤って記載されていたことが確認された。
資料には「江陵(カンヌン)あるいは平昌(Gangneung or Pyeongchang)」となるところが「江陵あるいは平壌(Gangneung or Pyeongyang)」と誤って記載されている。
この資料を作成したボランティアメンバーは「英文アルファベット『P』を入力すると自動的に候補が出てくる単語を誤ってそのまま入力した」とし「マニュアルはボランティアメンバーの中で運転教育をする人々だけが受け取った。自分で確認できなかった」と説明したと、同メディアは伝えた。(記事は一部省略しました。)
記事のとおりなら、ボランティアメンバーは打ち込みだけでゲラ段階での見直しの機会が与えられてなかったみたいですね。入力した人の非であるかのような記事のあり方を見ると、そもそも校正という段階というか概念がなかったのかもしれません。
記事には「英文アルファベット『P』を入力すると自動的に候補が出てくる単語を誤ってそのまま入力した」とあります。
冬季オリンピック直前の韓国で、サーチエンジンのサジェスト機能が「Pyeongchang」を無視して「Pyeongyang」だけを候補にあげたとしたなら、オリンピックの立場がないような気がして少し寂しい気持ちになります。
このサジェスト機能、自分の検索履歴とその関連項目だけでサジェストすればいいのにと思うのですが、グーグルのオートコンプリートに関する説明で検索候補生成の仕組みを見ると、3番目に次のような記述があります。
他のユーザーが検索しているキーワード(「人気の話題」 急上昇 を含む)。「人気の話題」はご利用の地域で人気を集めているトピックであり、1 日を通して変化します。「人気の話題」とユーザーの検索履歴は関連していません。
世間の評判や、人々の動向を知るには良いのかもしれません。
ここからは個人的な話になります。
10年くらい前のことだと思うのですが、パソコンで文章を書いていて「越すからである」と打ち込もうとしたときに、サジェスト機能が示した最初の候補が「コ・スKARAである」だったことがありました(そのときは「越すからである」は2番目の候補だったと思います)。そのとき、間違って「コ・スKARAである」選んでしまったせいか、その後、文章を打っていると「コ・ス」や「KARA」がしょちゅう出てくるようになりました。当時はサジェスト機能を通して韓流の盛り上がりを感じていたような気がします。
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『ソロモンの偽証』
2月5日と12日、NHKのBSシネマで宮部みゆき原作の映画『ソロモンの偽証』前編、後編が放映されます。
実はこの作品、民法で放送されたときに、レコーダーで録画しながら見ていたのですが、後編が終わった直後に何となく腹が立ってきて、その場で「えいやっ」と前後編ともに消してしまう、ということがありました。そのときは、一週間ぐらい経ってから、何も消すことはなかった、とちょっと後悔したのですが。
今回はとりあえずもう一度録画して、しっかりと見直したいと思います。また消すことになるかもしれませんが、前回見たとき、いくつかのシーンはしっかり心に焼き付いていますので、それを確認するためだけでももう一度見る価値はあるような気がします。
いきなり話は変わりますが、明日(2月3日)の夕方5時から、韓国ドラマ『ソロモンの偽証』がBS12で始まるようです。
韓国ドラマのほうは全16話とありますから、映画よりも丁寧に学校内裁判が描かれるのではないでしょうか。とりあえず、この土日はきちんと見ようと思っています。
期待大です。
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スターチャンネルで『キング・コング』(1933年)を見ました。
昨日放映の『キング・コング』、スターチャンネルだからきっときれいな映像だろう、と一人合点をしていたのですが、実際はフィルムの細かい傷がかなり目立つものでした。残念なことです。
ただし、字幕はとても良かったです。
私の持っているDVDの字幕と比較してみます。
DVD「飛行機のお手柄だな」「いや 飛行機じゃない 美が野獣を射止めたのだ」
スター「奴も飛行機には負けたな」「いや 飛行機じゃない 美女に殺されたのだ」
英語では「飛行機が(奴を)やった」「いや、美女が(奴を)殺したのだ」とヲ格が共通し、主語が変わる文脈になっています。それを日本語にする時には、共通するヲ格を主語に立てて受け身にし、「(奴は)飛行機にやられた」「いや、(奴は)美女に殺されたのだ」のようにしたほうがより自然になるような気がします。スターチャンネル版の翻訳者はそのような方針の下、英語を日本語に移しかえているようです。
私は、映画やドラマの吹き替えや小説の翻訳で、原文とはちょっと違う(と思われる)、こなれた日本語に出会うとはっとして、その後嬉しくなります。
振り返ってみると、『スター・トレック』の1作目(『宇宙大作戦』です)で、カークの元恋人らしき女性が「夫に死なれてから」と言ったときには、跳び上がるほどびっくりしました。そのときの感動は今でも忘れられません。(同じ『スター・トレック』でチェックメイトを「王手」と言ったときには違う意味で跳び上がりそうになりましたが。)
今回のスターチャンネルの字幕は跳び上がるほどのびっくりはありませんでしたが、良い訳者の良い字幕に出会ったような気がしました。
ただ、今回のスターチャンネルでは『キング・コング』は翻訳者の名前が出ないまま映画が終わりましたので、誰の訳かは分かりませんでした。
最後になりますが、手元に角川文庫の原作本がありますので、最後の場面を引用します。
「やれやれ! すごい光景だったな」巡査部長はいった。「飛行機がコングをやっつけるとはとても思えなかったよ」
「飛行機がコングを倒したんじゃないよ」デナムがゆっくりした口調でいった。
「なんだって?」
「美女さ。やはり美女が野獣を殺したんだ」
巡査部長はますます当惑した顔になった。(各務三郎訳)
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