映画『インセプション』

昔見て面白くなかった映画をテレビで再び見ました。その理由は、面白くないと思ったのは映画のせいではなく、当時映画を見たときの自分の理解のなさに問題があったのではないかとふと思ったからです。

 

でも、やっぱり面白くない……。

 

突然話は変わりますが、今目の前にアルコール綿の箱があります。箱の側面には「使用上の注意」「保管及び取り扱い上の注意」「用法及び用量に関連する注意」がこまごまと書いてあります。

 

思うに、『インセプション』の面白くなさは、箱に書かれた「注意書き」をいちいち読まなくては進むことのできないこの映画の世界観にあるのかもしれません。

 

夢に関する「使用上の注意」が映画の中でかなりの時間を割いて語られるのですが、それを守ったからどうだとか違反したからどうだとか言われても、まあこの映画の中ではそうなんでしょうね、という感想しか持てません。今回テレビでこの映画を見て思ったのは「説明タイム」が思った以上に長いことでした。「説明タイム」なしで驚かしてくれる映画だったらどれほど良かったことか。

 

ここからはラストに近い部分に少し触れますが、この映画、最後まで夢から覚めた気にさせてくれないのも困りものです。私などは、最終的に現実だと思っていたものがもしもまだ夢であったらそれがいちばん怖い、と思うのですが、この映画に関しては夢か現実かは各自勝手に判断してください、という感じで丸投げされています。

 

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