『ハムレット』の翻案映画

NHK、BSシネマの映画カレンダーを見ると、明日の映画『炎の城』(1960年)はシェークスピアの『ハムレット』を翻案映画化したもの、ということです。

 

大川橋蔵主演、名匠・加藤泰監督が、シェークスピアの『ハムレット』を翻案映画化した、スペクタクル時代劇。

 

『炎の城』という映画については初めて知りました。私はシェークスピア作品の中でも『ハムレット』が大好きで、ある時期、さまざまな訳で読み比べたことがあります。とても読みにくいものでしたが、坪内逍遥の訳を読んだこともあります。

 

私がシェークスピア作品を読み始めたのは1982年のことです。その年、テレビで「NHK市民大学」という番組があって、小田島雄志が講師となって「シェークスピアの人間像」というテレビ講座を半年受け持っていました。その番組に触発されてなのですが、その当時は小田島訳の本が高くてなかなか手を出せなかったこともあり、とりあえず文庫本で読めるものを、という感じで30作品くらいをいっぺんに読みました。(小田島訳で読むのはずっと後のことになります)

 

ちょうどその頃、NHKで「シェークスピア劇場」という番組もあって、その年に放送された吹き替えの回はかなり真剣に見ていた記憶があります。見た作品はあまり多くはありませんが、『じゃじゃ馬ならし』とか『ベニスの商人』などがあったと思います。

 

ハムレット』に関して言えば、ほとんどの訳本を読み、映像化作品も可能な限り見てきたつもりではいたのですが、『炎の城』は全くのノーマークで存在すら知りませんでした。明日の放送が楽しみです。

 

ちなみに、80年代に放送された「シェークスピア劇場」ですが、その後DVD化されていて現在でも買うことができるようです。しかし、字幕のみで吹き替え音声がないのがとても残念に思われます。

 

BBCシェイクスピア全集I (18巻組)

216,000円(税込)

BBCシェイクスピア全集II(19巻組)

228,000円(税込)

字幕監修:東京大学名誉教授 小田島雄志
発売元:株式会社 テレシス インターナショナル
字幕制作:株式会社 テレシス

http://telesis-inter.jp/?mode=grp&gid=932620

 

シェイクスピア全集BBC

DVD 全37巻 
セット本体価格 845,715 円+税

日本語字幕版監修:小田島雄志東京大学名誉教授)
発行: 丸善出版株式会社

日本語字幕版制作:株式会社テレシス

http://pub.maruzen.co.jp/videosoft/shakespeare/index.html

 

両方とも字幕は同じものだと思われます。1作品当たりでいえばテレシス版は12,000円で、丸善版はその約2倍の値段ということになりますが、これは丸善版が学校や図書館での上映や貸し出しを前提にしているからということのようです。

 

私は韓国の教保文庫でたまたま見つけた「シェークスピアコレクション(BBC)」のDVDを買いました。字幕は英語と韓国語だけですが、全巻そろって約4000円で見つけたときには驚きました。箱にはリージョンコード3とありましたが、日本の機器で普通に再生できましたのでもう一度驚きました。

 

シェークスピアコレクション:スリムケース

39,800ウォン

http://music.kyobobook.co.kr/ht/record/detail/8809154123311?orderClick=LAL&Kc=

 

教保文庫の販売ページを見ると他社のDVDもありました。

 

BBCシェークスピア全集コレクション

55,000ウォン

http://music.kyobobook.co.kr/ht/record/detail/8809300662022?orderClick=LAL&Kc=

 

残念なことに、現在はどちらのセットも「品切れ」となっています。

私は英語字幕でBBC全集のかなりの作品を見ましたが、やはり日本語が付いてないとつらいものがありました。かなりもやもやします。1年ぐらい必死になって英語の勉強をし直せば解決するような気もしますが、できることなら80年代の吹き替え版でBBCの全作品を心行くまで見てみたいと思っています。この夢、生きているうちにかなうのでしょうか。

 

最後になりますが、私はここまでずっと「シェークスピア」と書いてきましたが、世間では「シェイクスピア」と表記されることが圧倒的に多い気がします。「シェークスピアの人間像」講師の小田島雄志の著作を見ても、NHK市民大学のテキスト以外は一貫して「シェイクスピア」と表記していますし、他の訳者もほとんどが「シェイクスピア」を採っています。学術団体の名称が「日本シェイクスピア協会」だと知ったときには「シェイクスピア」なのかなとちょっと悩みました。

 

ただ、辞書や百科事典の見出しは「シェークスピア」なんですよね。

 

NHK的には「シェークスピア」らしいのですが、ただ、「100分de名著」でハムレットをとりあげたときに買ったテキストの表紙には「シェイクスピア」とありましたし、即興で物語を作る数年前の番組も「シェイクスピア・ゲーム」というタイトルでした。

 

 

 amazonを見たら、イギリス版の輸入DVDの販売ページがありました。価格は14,980円。商品説明には「英国輸入盤。映像出力はPAL(日本はNTSC)方式となりますので、一般的な国内向けプレイヤー、PS3にて再生できません。ご覧になる際はパソコン又はNTSC⇔PAL変換のマルチDVDプレイヤーで再生する必要があります。また日本語字幕はございません。」とあります。amazonイギリスで同じDVDを見たら、今日のレートで約11,000円でしたから、送料・手数料が約4,000円ということになるのでしょう。