映画『バルタザールどこへ行く』
先月、テレビで放映した映画『バルタザールどこへ行く』を今日ようやく見ました。良い映画だとは思うのですが、見ていてつらいものがありました。
映画を見始めたときは、村上春樹編『恋しくて』に収録された短編 「愛し合う二人に代わって」のように、女性の側に波乱がありながらも幼馴染の男性が一途に片思いをし続けるちょい甘なラブストーリーかな、と思ったのですが、とんでもなかったです。
『処女の泉』を見たときもつらいとは思いましたが、『バルタザールどこへ行く』は人間ドラマのつらさプラス動物ものとしてのつらさがありました。
動物ものといえば、うちには映画『グーグーだって猫である』のDVDがあるのですが、冒頭のある場面を乗り越えることが私にはできません。何度トライしても、その場面または直前で見るのをやめてしまいます。ですから、いまだに映画の中のグーグーと出会うことができないでいます。
話を戻します。見た直後は嫌だと思った映画も数ヶ月後に気になり出して、その後、あのとき見ておいてよかった、と思うことがときどきあります。『バルタザールどこへ行く』も、私にとってそのような1本になるのでしょうか。
NHKのBSシネマのHPで『バルタザールどこへ行く』の解説を見ると、この映画は「至高の映像美で描いた傑作」のようです。
巨匠R・ブレッソンが、人間の本能と罪悪を至高の映像美で描いた傑作。映画初出演となったA・ヴィアゼムスキーの無垢(むく)なあどけなさも魅力。
AmazonでDVDの内容紹介でも「至高の寓話」という表現を使っています。
少女とロバの苛烈な運命。 ロベール・ブレッソンがドストエフスキーの小説『白痴』に想を得て描く、至高の寓話。主演に映画初出演となるアンヌ・ヴィアゼムスキーを起用。
フラットな気持ちに戻れたとき、この映画をもう一度見てみたいと思います。ちなみに、主演のアンヌ・ヴィアゼムスキーは去年(2017年)10月5日にパリで亡くなったとのことです。
【寄稿】「追悼 アンヌ・ヴィアゼムスキー」四方田犬彦 | web ふらんす
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